イタリアについて |
「え、まだ行った事ないの?」 私の旅行好きを知って自然と話がソチラにいく場合、必ずと言っていいくらいに相手から発せられる言葉である。 確かにヨーロッパ旅行として、真っ先に浮かぶ国といえばイタリアの人が多いかもしれない。だから、自他共に認めるヨーロッパ好きな私が行ったことが無いのを、不思議に思うのだろう。 まぁ、それなりに理由はあるのだが。 まず第一に、私の主な目的である絵画鑑賞。どうも、イタリア絵画は自分の趣味にシックリこない気がしていた。もちろん、素晴らしい絵画をたくさん所有してる国である事は知っているが。 第二に、オリーブオイル。いわゆる“イタ飯”は大好きな私だけど、オリーブオイルが合わずに大概はお腹を壊してしまう。最近は少なくなったけど、以前は“イタ飯”を食べる可能性がある時には、薬を持参して行ったものだ。本場ならもっと凄いかも。好きなのに食べれない。そんな苦痛は、勘弁。 それから、治安の事もある。旅先で神経を尖らせてるのは相当に精神を疲れさせるから。 そんな諸々の事を考え、イタリアに気が向かなかった・・・ しかし。 今年は何となく行ってみたくなった。もっとも、始めは別の国を予定したのだが。何処も満席で、半分やけになってパンフレットをめくっていると、イタリアの風景が目に飛び込んできた。最初に興味をもったのは『アルベロベッロ』という、南イタリアの奇妙な町の写真。円形の白壁に黒っぽい三角帽子の屋根。舌を噛みそうな名前。実際に見てみたくなった。 けれど、フィレンツェが一番興味ある私としては、どちらかを選択せねばならなかった。場所が離れていて、八日間で一緒に回るツアーは皆無。 しかたがない。イタリア初心者としては、メジャーな所に行くべきかも。そう思い、北イタリアツアーに参加しようとしたが、狙ったのはいっぱいで。 ―――こうなったら、南に行こう。 こんな感じで決まった初イタリア旅行。 殆ど下調べしなかったので、機内で調べようかと思ったのに、あまり出来ず。 団体ツアーなので、はぐれなければと開き直って。 行って見たならば、噂通りな事が多く、かえって戸惑った。 素晴らしい過去の遺産の数々。予想以上に美味しい料理。理解し難い国民性。これを全部ひっくるめてイタリアが、ある。 今回も、同じツアーの皆さんはとても良い方達で。添乗員さんもイタリア語が堪能で随分助けていただいた。 『トレビの泉』にコインを一枚投げ込んできた、私。 意味は「もう一度ローマに戻ってくる」。 どうだろう?来る機会があるのだろうか?正直、まだ見足りない。 イタリア。自分が何処にどの時代にいるのか、時々分らなくなる国。 きっと・・・またさ迷いに訪れるだろう。 |
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